丸い物ばかりを集める。食卓で使う物を一か所に並べる。仕分け遊びで手がかりになるのは、色だけではありません。
形で分けるなら、見た目の共通点が分かりやすい物を。用途で分けるなら、お子さまが使う場面を知っている身近な物を選びます。最初から色・形・用途を全部考えさせず、何を手がかりにするかを一つ決めると、用意する物を絞れます。
ここでは、0〜2歳のお子さまのいるご家庭に向けて、同じ色を合わせる遊びから少し視点を変え、形や使い道で集める方法をご紹介します。0歳から分類活動を勧めるものでも、年齢ごとの正解数を測る活動でもありません。対象年齢や注意事項を守り、今、関心を向けている物から考えてみましょう。
形で分けることと、用途で分けることは手がかりが違う
丸と四角の積み木を分けるときは、目の前の輪郭を比べられます。一方、「食事で使う物」と「着る物」を分けるときは、どんな場面で使っているかを思い浮かべます。同じ形でも用途が違う物や、形が違っても一緒に使う物があります。
そのため、形で分けられたら次は用途、という決まった順番にする必要はありません。毎日使う物を片付けたがるなら、使う場面ごとに置く活動から始めることもできます。
見た目を比べる遊びか、使う場面で集める遊びかを先に決めましょう。 それによって、どんな物を用意し、何を見せるとよいかが変わります。
モンテッソーリ教育を国際的に支える国際モンテッソーリ協会(AMI)は、感覚を使う教材について、一つの性質に注意を向け、比べたり分類したりする考え方を説明しています。[1] 以下の家庭例は、その考え方を参考にした提案です。専用の感覚教具と同じ教育効果を保証するものではありません。
形で分けるなら、色や大きさの違いを増やしすぎない
例えば、同じ色・近い大きさの丸い積み木と四角い積み木が手元にあれば、それぞれを少数ずつ用意できます。もちろん、対象年齢に合い、口へ入る小部品や破損のない物を使うことが前提です。[2]
最初は、丸と四角の見本を少し離して置き、大人が一つだけ同じ形のそばへ置いて見せます。「丸をここに置くね」と短く伝え、残りをどう扱うか待ってみてください。形の名前を言えることを、参加の条件にしなくてもかまいません。
もし丸が全部赤、四角が全部青なら、色を見て集めている可能性もあります。それで遊びが失敗になるわけではありませんが、形に注目しているかを大人が確かめたいときには、別の特徴も手がかりになることを覚えておきましょう。
形を見比べたいときは、形以外の目立つ違いを少なくします。 条件に合う物がなければ、新しく一式買う前に、今ある物で同じ形を一組だけ並べる方法もあります。
同じ形を集めることと、穴へ向きを合わせて入れることは別の動きです。 形を選ぶことを見たいなら、最初は台にはめず、横に並べるだけでも遊べます。
用途で分けるなら、毎日使う場面から選ぶ
用途で分ける家庭の例として、ふだん使っている清潔な子ども用のコップ一つと靴下一組、食事用トレーと衣類のかごを用意してみましょう。物が少ない状態で、大人と一緒に二つの置き場所を確かめます。
例に挙げた物も、乳幼児に一律に渡せるわけではありません。 コップは割れにくい物を選び、衣類には外れそうな飾りや長いひもがないか確認してください。後からスプーンを加える場合は、鋭い部分がないかも確認します。口へ運ぶ、顔を覆うなど、安全に扱えない様子があれば活動をやめます。
大人がコップをトレーへ置き、「ごはんのときに使うね」と場面を言葉にして、靴下をどう扱うか待ってみます。手助けが必要そうなら、「これは足にはくね」と示せます。関心が続けば、別の日にスプーンや帽子を加える方法もあります。物の名前を次々に答えさせるより、使う様子と置く場所を結びつけて見せます。
用途で分けるときは、子どもが知っている使い方を手がかりにします。 初めて見る道具を用途別に分けられなくても、分類する力がないとは判断できません。
なお、タオルのように、食事・着替え・入浴など複数の場面で使う物は、分け方が一つに決まりません。最初は置き場所を決めやすい物を選びます。複数の用途がある物を使うなら、「このタオルはごはんの後に手を拭く物」と、その場での使い方を伝えましょう。
違う場所へ置いたら、何を手がかりにしたかを見てみる
大人が考えた置き場所と違っても、すぐに戻す前に、お子さまが何をしているかを見てみましょう。色が似ている物を集めている、長い列を作っている、入れ物へ入れること自体を楽しんでいる場合もあります。
手助けが必要そうなら、見ている特徴と手の動きを分けて考えます。
- 選ぶ物が多くて迷う:数を減らし、二つの仲間だけにする。
- 何で分けるか分かりにくそう:大人が一つ置き、形や使う場面を短く言葉にする。
- 合う物を選んだが置けない:かごやトレーを近づけ、口の広い物に替える。
「選ぶところ」と「運んで置くところ」を分けて見ると、手助けを絞れます。 間違いを全部直した完成形を残すより、どの部分に関心があるかを知る機会にしてみてください。
用途で分けたいときに、形合わせの教材は必要?
食事に使う物と衣類を分けてみたいなら、形合わせの専用教材をそろえる必要はありません。家庭で使う物と、その置き場所があれば、活動の目的に合う場合があります。
一方、形や色など、見た目の特徴を比べたいときには、その特徴を見比べられる教材が候補になります。IMANO MANABI(イマノマナビ)でご用意している、教材・知育玩具を組み合わせたプレイキット「からだのまなび(28,29,30ヶ月)」には、ソーティングパズルがあります。形・色・穴の数を手がかりに、分類してはめる教材です。[3]
このパズルではピースの特徴を見比べ、台にはめる操作も行います。「食事で使う物を集める」といった用途別の活動とは、手がかりが違います。商品名に「分類」「仕分け」とあっても、家庭で取り入れたい分け方と一致するかを確かめてみてください。
使う場面で集めたいなら身近な物、形を比べたいなら形の違いが分かる物を選びます。 教材を買うかどうかより、何を手がかりに分けてみたいかを先に考えましょう。
商品ページには、小部品と誤飲への注意も表示されています。キットの月齢表示は、分類を完成できる年齢の保証ではありません。実際に届く教材の対象年齢・注意事項・使い方案内に従ってください。在庫状況により掲載写真と異なる商品をお届けする場合もあります。[3]
今日は、一つの分け方と少ない物から
形・用途に色も加え、いくつもの条件を同時に考える遊びへ急いで広げなくても大丈夫です。今日は丸と四角、別の日は食事で使う物と着る物、というように、そのときに伝える分け方を一つにします。
消費者の安全に関する行政機関である消費者庁は、小さい玩具や外れた部品の誤飲・窒息に注意を呼びかけています。[2] 分類しやすいからと、ボタン、ビーズ、小さなポンポンなどを集める必要はありません。見守りがあっても対象年齢を早めず、年下のきょうだいが手に取ることも防ぎます。
まずは安全に扱える物を少しだけ出し、大人が一つ分けて見せるところから。 興味が続かなければ、その日は片付けてかまいません。正しく分けた数より、お子さまが見ていた特徴や、使う場面への気づきを、次の用意の手がかりにしてみてください。
参考情報
- 国際モンテッソーリ協会(AMI)「Questions & Answers:Can you explain the significance of sensorial materials in promoting learning?」
- 消費者庁「Vol.544 おもちゃなど小さなものを誤飲する事故に注意!」
- IMANO MANABI「からだのまなび(28,29,30ヶ月)」
情報確認日:2026年10月16日