「対象年齢は合っているけれど、うちの子は楽しめるかな」。おもちゃを選ぶとき、月齢や商品名だけでは決めにくいことがあります。今あるおもちゃを繰り返し使っていると、次の物を用意したほうがよいのか迷うこともあるかもしれません。
選ぶ手がかりになるのは、お子さまが今、何を繰り返しているかです。対象年齢と安全上の注意を確かめたうえで、「今している動き」と「そのおもちゃで使う動き」を見比べてみましょう。今ある物でやりたいことを試せているなら、買い足さずに続ける選択もあります。
この記事では、子どもの様子をおもちゃ選びにつなげる見方を、玉落としの二つの構造を例に紹介します。「この月齢なら、ここまでできるはず」という確認表ではありません。毎日の遊びから、次に用意する物を一つ考えるためのヒントです。
対象年齢は守り、その中で今の興味を見る
子どもが興味を示しても、対象年齢より上のおもちゃを早く使わせてよいわけではありません。消費者庁も、玩具の対象年齢や使用上の注意を守り、破損などがないかを確認するよう呼びかけています。[1]
「興味がありそう」は、安全表示を省いてよい理由にはなりません。選ぶ前には、対象年齢、部品の大きさや外れやすさ、破損の有無、使うときの注意を確認してください。大人がそばにいても、対象外の物や危険な部品を使ってよいことにはなりません。
そのうえで、年齢表示だけでは分からない部分を、子どもの様子から考えます。同じ年齢向けでも、握って離す物、回す物、引いて開ける物など、使う動きはさまざまです。対象年齢や使用条件を守っている範囲なら、月齢が変わっただけで、気に入った遊びを終える必要はありません。何かをできるようにする期限としても考えないようにしましょう。
おもちゃの名前より繰り返している動きを見る
「ボールが好き」「箱が好き」と思ったら、もう少しだけ手元を見てみましょう。ボールを握っているのか、手を離して転がる様子を見ているのか。箱なら、中をのぞいているのか、開けようとしているのか。同じ物に関わっていても、試している動きは違うことがあります。
モンテッソーリ教育では、子どもを観察し、興味や自分から取り組む様子に合わせて環境を整えることを大切にします。[2] IMANO MANABI(イマノマナビ)では、選ぶときに「よく繰り返す動き」「途中で止まるところ」「もう一度やろうとする様子」を見ることをおすすめしています。
「上手にできたか」より、「何をしようとしていたか」を手がかりにします。例えば、おもちゃの球を穴へ運び、手を離しては、出てくるところを見ている。その姿が見られたら、「球が出てくる様子を見たいのかな」「入れて離すことを繰り返したいのかな」と、考えられることをいくつか残しておきます。一度の反応だけで、興味や得意なことを決める必要はありません。
メモをするなら、短い一文で十分です。例えば「球を入れたあと、出口を見て、もう一度球に手を伸ばした」。これは書き方を示す架空の例で、実際の利用者の記録ではありません。「集中力がある」「次の段階へ進める」と評価するより、見えた動きをそのまま残すと、商品説明と比べやすくなります。
同じ玉落としでも球を取り出すまでの動きが違う
商品名が似ていても、遊びの途中で必要になる操作は同じとは限りません。ここでは、IMANO MANABIの教材「玉落とし」と「玉落とし(引き出し)」を例に、違いを見てみましょう。[3][4]
アーチから球が出てくる玉落とし
「玉落とし」は、赤い木球を上の穴に入れると、球がアーチから出てくる構造です。球を持ち、穴へ運び、手を離す。出てきた球にまた手を伸ばす。商品を見るときは、その一連の動きを想像してみてください。
例えば、今使っている玩具で、物を持って離すことや、動いた物を目で追うことを繰り返しているなら、選択の手がかりになります。ただし、その動きが見られたら必ず楽しむ、という意味ではありません。重さや形、置いた場所などでも扱い方は変わるため、実際の商品と使用条件を確かめます。

引き出しを開けて球を取り出す玉落とし
「玉落とし(引き出し)」は、上の穴に入れた木球が、引き出しの中に入る構造です。もう一度球を使うには、引き出しを開け、中から取り出す操作が加わります。
こちらを見るときは、球を入れる動きだけでなく、「引き出しを引いて開けることにも関心が向いていそうか」「球を取り出すところで手助けが必要そうか」も考えます。開けることに関心があるからといって、家庭の引き出しを遊び場にする必要はありません。指はさみや転倒などの危険があり、玩具とは条件が異なります。

二つの違いは、球が戻るまでに必要な操作です。どちらが優れているか、早く進むべきかを比べるものではありません。今楽しんでいるのが入れて離す動きなら、引き出しがあるほうを急いで選ばなくてもかまいません。逆に、開けて取り出す動きを試したそうなら、その操作を含む物を候補にし、対象年齢や注意事項を確認します。
どちらの教材も、本体を持ち上げたり、投げたりせずに使います。使う際は商品ごとの注意を守ってください。構造の説明は、安全性や個々の子どもへの適合を保証するものではありません。
選ぶ前に今ある物で足りるかを確かめる
候補が見つかったら、今使っているおもちゃと比べてみましょう。比較するのは、見た目の新しさや機能の数より、子どもが試したい動きができるかどうかです。
- 今ある物で安全に同じ動きを繰り返しているなら、そのまま続ける。
- 試したそうな動きがあり、今ある物ではできないなら、その動きを含む物を一つ候補にする。
- 何をしたいのかまだ分からないなら、すぐに新しい物を決めず、別の機会にも様子を見る。
同じ遊びを繰り返していることだけを理由に、次のおもちゃへ替える必要はありません。自分から手に取り、何度も試しているなら、その時間を残してみましょう。毎日違う遊びを用意することが目標ではありません。
途中で止まるときも、「難しいから買い替える」とすぐ決めなくて大丈夫です。例えば、球は入れたけれど引き出しを開けるところで止まったなら、今はその操作が分からないのか、球より別の部分が気になったのか、まだ判断できないこともあります。必要なら大人がその動きだけをゆっくり見せ、子どもが試すかどうかを待ちます。関心が向かなければ、繰り返し誘い続けず、その日は終えてもかまいません。
手持ちの物を活用するときも、用途の違う家庭用品や小さな球を、玩具の代用品として安易に組み合わせないでください。今ある、安全に使えるおもちゃの範囲で考えることから始めましょう。
おもちゃと一緒に使い方も確かめたいとき
選ぶ物だけでなく、何を見て、どう関わればよいかも知りたい。そんな場合には、教材・知育玩具を組み合わせたIMANO MANABIのプレイキットも候補の一つです。教材と一緒に、使い方や子どもとの関わり方をまとめた保護者向けガイドを届けています。[5]
IMANO MANABIでは、教材の名前だけで選ぶのではなく、どんな動きで扱う物なのか、子どもがどこに興味を向けているのかを見ながら用意することをおすすめしています。今回の玉落としのように、似た名前でも操作の違いを知ると、候補を比べる視点が一つ増えます。
今ある物で十分に試せているなら、そのまま続けてかまいません。特定のおもちゃ一つがほしい場合は、その商品を扱うお店で単品を購入する方法もあります。教材と使い方の案内をまとめて確かめたい場合は、プレイキットの内容を見て、現在の対象や利用条件も家庭に合うか確認してみてください。
今日の遊びで、お子さまがもう一度しようとした動きを一つ見てみる。次のおもちゃを選ぶときは、その動きがどこに含まれているかを商品説明で確かめる。すぐに買うと決めなくても、その二つがつながれば、選ぶときの手がかりになります。