ふたに手をかけているのに開かない。開けられたのに、元に戻すところで困っている。そんなときは、容器の本体が動いていないか、ふたをどう動かそうとしているかを見てみましょう。
例えば、ねじ式のふたは回して開けます。はめ込み式のふたには、引いて外し、押して閉める物があります。容器に合った動かし方を確かめてから、手伝いましょう。まずは本体が動いているのか、ふたの動かし方や合わせ方で困っているのかを確かめます。
この記事では、回す・引く・押す動きを例に、子どもが困っているところを見つけて手伝う方法を紹介します。家庭での場面は、説明のために作った例です。
始める前に 使い方と安全上の注意を確かめる
最初に、大人が説明書を読み、どう開けて、どう閉める物かを確認します。見た目が似ていても、ねじを回すふた、引いて外すふた、留め具を外す必要があるふたでは、手順が異なります。
玩具や教材は、対象年齢と注意事項を守って使ってください。消費者庁は、子どもに渡す前に取扱い上の注意と破損の有無を確かめること、小さな部品や使わない玩具を手の届かない場所に保管することを案内しています。[1]
家庭の容器も、空だから安全とは限りません。ふたや外れる部品が小さい物、割れやすい物、縁が鋭い物、指を挟みそうな物は使わないでください。薬や洗剤などが入っていた容器も選ばず、興味を引くために小物や食べ物を入れることも避けましょう。
口に入れる、投げる、指を挟みそうになるなど、安全に扱えない様子があればすぐに止めます。大人がそばにいる場合も、対象年齢や注意事項を守って使ってください。
ふたの動かし方に合わせて手伝う
Baan Dek(米国のモンテッソーリ園)は、開閉の活動で、持ち上げて外すふた、回して外すふた、留め具や複数の手順がある物を区別して紹介しています。[2]容器によって、ふたの開け方は違います。
使う容器の説明書を確認したうえで、次の例を参考にしてください。ふたをどう動かす物かに合わせて、子どもが困っているところを手伝います。
ねじ式のふたは 本体が一緒に回っていないかを見る
ねじ式のふたなら、本体を支え、ふたを回す動きが必要です。ふたに手をかけているのに容器全体が一緒に回っている場合は、まず本体を支えるところを手伝ってみます。
「ここを持っていようか」と声をかけ、大人が本体を支えた状態で、お子さまがふたを動かせるか見ます。本体が止まっていても開かないなら、回す方向が分からないのか、握りにくいのか、固すぎるのかを確かめます。さらに力を出すよう求める前に、大人が引き取って確認してください。
引いて外すふたは 本体を支えて外し方を見せる
はめ込み式のふたなど、引くと外れる物は、本体を押さえてふたを引きます。どちらに引くか分からない様子なら、大人がゆっくり外して見せましょう。
ふたを引いたときに本体ごと持ち上がるなら、大人が本体を支えてみます。ふたが急に外れそうな物や、強く引かないと開かない物を、無理に引っ張らせないでください。
外れたふたをどこへ置くかも、横に場所を空けて見せます。外したふたを置くのが難しそうなら、大人が受け取ってかまいません。
押して閉めるときは 力より先に位置を合わせる
押し込んで戻す栓や、押してはめるふたなら、まず容器の口と位置を合わせます。ずれたまま押しているときは、「もっと強く」と伝える前に、いったん外して置き直すところを見せてみましょう。
大人が位置を合わせ、お子さまが押す部分だけ試す方法もあります。ただし、指を挟まない位置を確認し、強い力が要るところは大人が引き取ります。説明書にない方法で押し込んだり、閉めやすくするために部品を外したりしないでください。
ボタンやロックのある容器は、ここで紹介した例と開け閉めの仕方が違う場合があります。説明書の手順に従ってください。
開けられても 閉めるときは手助けが必要なこともある
開けた後にふたを戻せなくても、「さっきはできたのに」と急がせなくて大丈夫です。閉めるときは、ふたを容器の口に合わせてから、回したり押したりする必要があります。どこで困っているか、もう一度見てみましょう。
ねじ式なら、ふたが斜めのまま回っていないか。差し込む方式なら、口からずれたまま押していないか。開けるときと閉めるときの動きをそれぞれ見ると、手伝う動作を絞れます。
例えば、回して外すことを繰り返しているなら、閉め始めるところは大人が受け持ってもかまいません。すべての手順を一人で終えることを、その日の目標にする必要はありません。
手伝う前に見るのは 本体とふたと子どもの様子
子どもの様子に近いものを探して、手伝い方を選んでみてください。
- 本体も動いている:まず、本体を支えるところを手伝う。
- 本体は止まっているがふたが動かない:動かす方向を短く見せ、固さや持ちにくさは大人が確かめる。
- ふたを戻せない:対応するふたと口の位置を確かめ、合わせる部分を手伝う。
- 嫌がる、手を離す、別の物へ向かう:続きを誘い続けず、いったん終える。
動きを見せるときは、ゆっくり、一つずつ。Aid to Life(モンテッソーリ教育を家庭で生かすための情報サイト)は、家庭の活動を明確な手順で見せ、初めは必要な手助けをしながら、自分で試す機会をつくることを紹介しています。[3]大人がすべて代わりにする前に、子どもが自分でできそうな部分を残してみましょう。
国際モンテッソーリ協会(AMI:モンテッソーリ教育の普及や教師養成を担う国際団体)の家庭向け資料も、子どもに必要な手助けを観察することや、取り組みたがらないときには活動を終えることを勧めています。[4]危険がある場合は観察を続けず、すぐに止めてください。
私たちの教材でも 本体を支える手を大切にしています
私たちIMANO MANABI(イマノマナビ)の教材「容器の開閉」は、容器5個とかご1個を組み合わせた活動です。使い方のご案内では、片手で本体を押さえ、もう片方の手で開け閉めし、開いたところでいったん止める流れを大切にしています。
一通り見せ終わるまで待たせることより、お子さまがやりたそうにしたら交代し、興味がなければ無理に取り組まないことを重視します。大人が見せるときも、本体を支える手と、ふたを動かす手が分かるように、ゆっくり動かします。
教材・知育玩具を組み合わせたプレイキットの「じりつへのまなび」には、この活動が含まれています。検討するときは、現在のプレイキットの内容と注意事項を確かめてください。[5]掲載写真と異なる商品が届く場合もあります。届いた容器と、その使い方の案内を確かめてください。
手持ちの物で安全に試せているなら、開け閉めのためにセットを増やす必要はありません。活動の選び方から考えたい場合は、おうちモンテッソーリの最初の一歩も参考にしてください。
次にふたが開かない場面に出会ったら、まず本体が一緒に動いていないかを見てみましょう。本体が止まっているなら、ふたを動かす方向や持ち方を確かめます。閉められないときは、ふたと容器の口が合っているかを見てください。安全に試せる範囲で、困っている一部分だけを手伝ってみてください。
参考情報
- 消費者庁「Vol.677 こども向けの製品に関する新しい制度、「子供PSCマーク」がはじまりました!」
- Baan Dek「Opening and Closing Containers」
- Aid to Life「お家でできるお手伝い」
- Association Montessori Internationale「General Guidelines」
- IMANO MANABI「じりつへのまなび(19,20,21ヶ月)」
情報確認日:2026年10月14日