洗濯のお手伝いは、乾いたタオルを一枚かごに入れるところからでも始められます。
「分ける・たたむ・しまう」を全部任せず、今のお子さまがやってみたそうな動きを一つ選んでみましょう。洗濯機や洗剤を扱う工程は大人が担当します。
モンテッソーリ教育の家庭向け案内「Aid to Life」でも、洗濯物をたたむ、運ぶ、一緒にしまう活動が紹介されています。[1][2]
この記事では、その考え方を参考に、0〜3歳のお子さまのいる家庭で試せる手順や声かけを提案します。
始める前に、洗濯機と洗剤から離れた場所を用意する
使うのは、大人が乾かして取り込んだ、清潔で乾いた洗濯物です。洗う、干す、機械から取り出す工程は、大人が担当します。
活動する場所は、洗濯機・乾燥機や洗剤から離れた室内にしましょう。保護者がすぐに手を出せる位置で、一緒に取り組んでください。
消費者庁は、洗濯用パック型液体洗剤の誤飲や、破れたパックから洗剤が目に入る事故を注意喚起しています。
洗剤は子どもの手が届かない場所に保管し、使ったら密閉してすぐに戻します。洗濯機に入れたままにしないことも案内されています。[3] 「一つ渡してもらう」役割にも、洗剤は使わないでください。
ドラム式洗濯乾燥機では、子どもの閉じ込め事故も報告されています。消費者庁は、使っていないときも扉を閉め、チャイルドロックを活用することなどを呼びかけています。[4]
製品の説明書に従って対策し、お手伝いを機械へ近づくきっかけにしないようにしましょう。
- 布と道具を確認する。ほつれ、外れそうな飾りやボタン、長いひもがある物は除きます。洗濯ばさみ、ハンガー、洗濯ロープ、アイロンは今回の活動に使いません。
- 広げる場所を空ける。乾いた清潔な床や、無理なく手が届く安定した台を使います。洗濯物を家族の通り道に広げず、かごは軽く、縁が滑らかで倒れにくい物を選びます。
- 続けられないときは片付ける。布を口に入れる、顔や首に巻く、かごに入る・乗るなどの様子があれば、すぐに止めて布やかごを大人が片付けます。保護者がその場を離れるときも、活動はいったん終えます。
今の様子から、参加する部分を一つ選ぶ
「何歳ならたためる」と決めず、今、興味を持って無理なく扱えそうな動きを見てみましょう。
次の三つは、順番に終える課題ではありません。たたむことが難しくても、たたんだ物をしまうところに参加できます。
- 持って、置こうとしているなら「しまう」。大人が渡したタオルを、すぐ隣のかごへ入れるところから。歩いて運ぶことを一緒に求めなくてもかまいません。
- 同じ物を探しているなら「分ける」。数枚の中からタオルだけを選び、同じ場所に集めてみます。種類、色、持ち主など、いくつもの分け方を同時に足しません。
- 布を両手で持ち、重ねようとしているなら「たたむ」。一度折り重ねるところを、大人と一緒に試します。最初から端をぴったり合わせなくても大丈夫です。
まだ布を扱うのが難しい時期や、興味のない日は、無理に持たせなくてもかまいません。機械から離れて大人がたたむ様子を見るだけでも、普段の遊びを続けても大丈夫です。
分ける:まずは一種類を一か所に集める
確認したタオルと衣類を少しだけ、重ならないように置きます。大きな洗濯物の山をそのまま渡さないようにしましょう。
「タオルはここに集めよう」と、一枚をかごへ入れて見せます。最初はタオルだけを集め、残りは大人が扱う方法で十分です。
迷っているなら、タオルを一枚かごに置き、集める物の見本にします。
それでも難しそうなら、大人がタオルを選び、お子さまは受け取って入れる部分だけにしてみてください。参加しやすい動きに分けてみましょう。
別の衣類が混ざっても、そのたびに「違う」と言い直す必要はありません。「これはシャツだったね。タオルはこちら」と短く見せ直すか、大人があとで整理します。
洗濯前の色分けや、洗濯表示を読んで分ける判断は、大人が担当しましょう。
たたむ:大人が広げて、一度重ねるところを渡す
最初は、両手で無理なく扱える大きさの、飾りのないタオルを用意します。大きなバスタオルや形の複雑な服は避けましょう。
布一枚を十分に広げられる場所を空けます。布が大きい場合は、大人が途中までたたんでから渡してもかまいません。
大人が布を平らに広げ、片側を持ち上げて反対側へ重ねます。最後に手で軽く押さえるところを、ゆっくり見せましょう。
Aid to Lifeも、動きをゆっくり、手順を明確に見せることを勧めています。[1] 説明を増やすより、見せる動きを一つに絞ってみてください。
布全体が動いてしまうなら、「こっちを持っていようか」と声をかけ、大人が反対側を軽く押さえます。
手を重ねて完成させる前に、お子さまが持ち上げる部分を残せるか見てみましょう。端がずれても、かごに置いて終えてかまいません。
一度重ねることを楽しんでいるなら、同じやり方を繰り返して大丈夫です。四つ折りや自分の服など、難しい工程を毎回足す必要はありません。収納に合う形への仕上げは、大人が担当できます。
しまう:すぐ届く、空いている置き場所を一つ決める
タオルを置くかごを、作業場所の隣に用意します。「ここに置こう」と一枚置いて見せましょう。
持ったまま歩くのが負担になりそうなら、隣のかごへ入れるだけで終えます。収納場所まで運ぶのは、大人が担当します。
歩いて運びたがる場合も、任せるのは前が見える量にします。通り道を片付け、段差や階段を避けましょう。
すぐ手が届く場所へ、大人と一緒に運びます。布がほどけても、その場で何度もたたみ直させなくてかまいません。
収納棚は、背伸びやよじ登りをせずに届く、空いている場所を選びます。家具は説明書に沿って固定し、引き出しなどによじ登らせないようにしましょう。
扉の開閉時は手の位置にも注意してください。[5] 安全に使える置き場がなければ、隣のかごまでで終えます。
扉を開ける、置き場所を探す、重ねる、扉を閉める。すべてを一度に任せる必要はありません。
扉や引き出しは大人が操作し、お子さまには空いている場所へ一枚置く部分だけを任せても大丈夫です。普段たたまずに収納する衣類は、その家庭のやり方でしまいましょう。
崩す・間違える・途中でやめるときは、任せ方を変える
たたんだ物を次々に広げるとき
「この一枚を一緒にやろう」と、そのとき使う分だけ出します。完成した物は、すべて手元に置かなくてもかまいません。
取り出して戻す動きを続けたがるなら、安全に扱える布と浅いかごで、その部分に切り替えてみましょう。家族が使う分の仕上げは、別に確保して大丈夫です。
やりたそうなのに手が止まるとき
「もう一回」と促す前に、どこで困ったかを一つ見ます。
布を持ち上げられないなら、扱う大きさを変えます。
選べないなら、種類を減らします。
しまえないなら、置き場を空けます。
必要な援助をしても嫌がるときは、そこで終えましょう。
途中で離れるとき、親に余裕がないとき
「ここまで一緒にできたね。残りはしまっておくね」と区切り、大人が片付けます。最後までやり切らせる必要はありません。
急いでいる日は、最初から大人が済ませても大丈夫です。お手伝いの量や仕上がりで、お子さまや家庭の関わり方を採点しないようにしましょう。
今日の洗濯物から、一枚だけ選んでみる
今日は「タオルを一枚入れる」「布を一度重ねる」「同じ種類を集める」のどれが暮らしに合いそうでしょうか。
参加する動き、置き場所、大人が担当する部分を先に決めれば、専用の道具を買い足さずに試せます。親子が無理なく終えられる量から始めてみてください。
洗濯以外の活動は、IMANO MANABI(イマノマナビ)の「おうちモンテッソーリの最初の一歩」で紹介しています。
参考情報
- Aid to Life「お家でできるお手伝い」
- Aid to Life「活動例」
- 消費者庁「Vol.655 洗濯用パック型液体洗剤での事故に注意!」
- 消費者庁「Vol.596 ドラム式洗濯乾燥機内の閉じ込め事故に注意!」
- こども家庭庁「挟む・切る・その他の事故」
情報確認日:2026年10月13日