穴のある部品を棒へ入れる「棒通し」と、ひもに通す「ひも通し」。似ているので、どちらを選ぶか、棒通しの次はひも通しなのかと迷うことがあります。
大きな違いは、通す先が動くかどうかです。台に固定された棒へ通す教材と、部品とひもを両手で持って扱う教材では、手の使い方が変わります。まず製品の対象年齢と注意事項を確かめ、そのうえでお子さまがどこを動かそうとしているかを見てみましょう。
固定された棒に合わせるか、ひもと部品を持って通すか
棒通しは、穴を棒の位置に合わせる
ここでいう棒通しは、台に付いた棒へ、穴のある円板などを通す教材です。部品を持ち、穴を棒の先へ近づけ、向きを合わせて入れます。棒が固定されている分、子どもは主に部品の位置を動かして試せます。
ただし、棒が横向きか縦向きか、穴の形が丸いかどうかで、必要な動きは変わります。「棒通し」という名前だけで、同じ扱いやすさだと考えないようにしましょう。
ひも通しは、支える手と通す手を使う
ひも通しでは、一方の手で穴のある部品を支え、もう一方でひもの先を入れます。先が反対側へ出たら持ち替え、引き抜く動きも加わります。部品が動く、ひもが曲がる、出てきた先をつかみにくい、といったところで手が止まることがあります。
「穴に入れる」だけでなく、何を支え、どこを持ち替えるのかを見ると、二つの教材の違いが分かりやすくなります。棒通しとひも通しを、年齢順の合格課題として並べる必要はありません。
選ぶときは、穴・部品・ひもの先を見比べる
商品の写真では、色や形に目が向きがちです。使う動きを想像するには、次の三つも確認してみてください。対象年齢や注意事項に合う製品の中で比較するための見方です。
- 穴と通す物の関係:棒やひもの先を合わせやすいか。穴の奥行きが長く、途中で先が見えなくならないか。
- 部品の持ち方:お子さまが支える場所はどこか。向きを変えながら持つ必要があるか。
- ひもの先の形:先が曲がりやすいか。製品に付属するガイドや持ち手があるか。
例えば、ボーネルンドの「ひもとおし『どうぶつのパレード』」は、対象年齢が2歳頃からで、動物ごとに穴の長さが異なり、付属の木製スティックを使う方法も紹介されています。[1] この例からも、同じひも通しでも部品と先端の形を確かめたいことが分かります。
教材名より、子どもが実際に持つ部分と通す先の形を見て選びましょう。 穴が大きいことだけで製品全体の安全性は判断できません。部品の大きさ、外れやすさ、対象年齢も一緒に確認してください。
IMANO MANABIの教材では、ガイドを通して引く動きを見られる
私たちIMANO MANABI(イマノマナビ)の「じりつへのまなび」では、「紐通し(大)」をご用意しています。ガイド付きのひもを、穴のある部品へ通す教材です。[2] 同封ガイドでも、ガイドを穴に通し、ひもを引き抜く動きを紹介しています。

この教材で見たいのは、全部を通し終えたかだけではありません。部品を支えようとしているか、ガイドを穴へ近づけているか、反対側へ出た先をつかもうとしているか。一つの活動の中にも、取り組んでいる動きがいくつかあります。
どの動きで手が止まったかを見てから、必要なところだけ手伝うと、大人が最初から最後まで代わりに通してしまうのを避けられます。キットの月齢表示を、すべてのお子さまがその月齢で完成できるという意味には捉えないでください。届いた教材の表示とガイドを確認して使います。
ガイドには、ひもを巻き付けないこと、大人と一緒に使うことも示しています。 これらを守ったうえで、部品を口へ運ぶ、ひもを首や体へ巻こうとするなどの様子があれば活動を止めます。見守っていれば危険をなくせる、という意味ではありません。
うまく通らないときは、止まっている動きを一つ手伝う
子どもが試している最中は、すぐに完成形へ直さず、手元を見ます。安全に使える条件が整っている場合に、次のような関わり方を試せます。
棒の先に穴が合わないとき
大人が同じ教材で、穴を棒の先へ近づけるところをゆっくり一度見せます。そのあと部品を戻し、子どもへ交代します。手を重ねて無理に押し下げたり、力で通したりしないようにしましょう。
ひもの先が出たあとに止まるとき
反対側から出た先に気付いていないなら、「こっちに出てきたね」と短く伝えます。部品を支えられずに困っている場合は、大人が部品を支え、子どもが先を引くところを試す方法もあります。使う教材の説明に合う範囲で行ってください。
大人が全部通すより、「支える」「先を見つける」など一つだけ助けてみましょう。 お子さまが嫌がる、手を離す、別の遊びに移ろうとする場合は、続けさせなくてかまいません。通せた数で、その日の遊びの良し悪しを決める必要もありません。
ひもと部品は、遊ぶ前から片付けまで大人が管理する
始める前に、ひものほつれ、先端の傷み、部品の割れや外れがないか確認します。消費者庁(製品事故の防止などに取り組む国の機関)は、玩具の対象年齢と注意事項を確認し、小さな部品や使わない玩具を子どもの手が届かない場所へ保管するよう案内しています。[3]
ひもを長く継ぎ足す、首にかける、小さな手芸用ビーズへ替える、といった使い方はしません。 製品に含まれる組み合わせと使い方を守り、先端を自己流で改造することも避けます。対象年齢未満のきょうだいが、落ちた部品へ触れない場所も必要です。
遊び終えたら大人がひもと部品をそろえ、届いたときの内容と照らして不足がないかを確認します。床や椅子の下に残っていないかも見て、ひもだけが出たままにならないよう保管してください。
選ぶときに迷ったら、「何歳でできるか」より先に、製品の使用条件と目の前の手の動きを確かめるところへ戻ってみましょう。使える条件を守りながら、その子が試したい動きに合う教材と手助けを選んでいくことが大切です。
参考情報
- ボーネルンド:ファンラーニング ひもとおし「どうぶつのパレード」
- IMANO MANABI:じりつへのまなび(19,20,21ヶ月)
- 消費者庁:Vol.677 こども向けの製品に関する新しい制度、「子供PSCマーク」がはじまりました!
情報確認日:2026年10月15日