子どもの成長に合わせておもちゃを選ぶとき、「買い足すより、借りたほうが環境によいのかな」と考えることがあります。家に物が増えにくい点はイメージしやすくても、配送や返却まで含めると、どう考えればよいのでしょうか。
レンタルは、一つのおもちゃを複数の家庭で活用し、新しく買う数を減らすことにつながれば、資源の使用やごみを減らせる可能性があります。[1] ただし、借りるというだけで、必ず購入より環境への負担が小さくなるわけではありません。
私たちIMANO MANABI(イマノマナビ)運営事務局から、借りる・買うを選ぶときに見ておきたい点を整理します。環境への配慮と、子どもが安全に遊べることを、無理なく両立させるための考え方です。
「家に残らない」と「ごみが減る」は、少し違う
レンタルでは、使い終えたおもちゃを返却するため、家庭で保管し続ける物を減らせます。一方、返した後のおもちゃがどう扱われるかによって、全体で使う資源や捨てる量は変わります。
たとえば、一つのおもちゃを次の家庭でも安全に使え、その家庭が買う予定だった物の代わりになるなら、新品をそれぞれ用意する必要を減らせる可能性があります。環境省も、リユース(一度使った製品や部品を再び使うこと)が、使用期間を延ばし、製造や廃棄に伴う負担を減らすことにつながると説明しています。[1]
ここで大切なのは、借りた数よりも、一つのおもちゃをどれだけ活用でき、新しく買う必要を減らせたかです。借りたうえで同じような物を次々に買い足していれば、「借りた点数の分だけ新品が減った」とは数えられません。
家が片付くことは家庭にとっての利点です。その利点と、社会全体でごみが減ることは、分けて考えると選びやすくなります。
作るところから使い終わるところまでを見る
おもちゃには、材料を用意して作る段階だけでなく、運ぶ、手入れする、最後に処分する段階にも環境への影響があります。この一連の流れを「ライフサイクル」といいます。環境省の製品設計の指針でも、一部分だけで判断せず、全体を通して影響を評価することが示されています。[2]
製造と、使える期間
丈夫なおもちゃを安全に繰り返し使えれば、短期間で買い替える場合より、新しく作る物を減らすことにつながります。部品の交換やメーカーによる修理に対応しているかも、長く使うための確認点です。[2]
ただし、棚に置いてある年月の長さだけでは、十分に活用できたかは分かりません。子どもが使う見込みがあることや、必要な部品がそろい、使える状態を保てることも大切です。
配送・返却と梱包
宅配のレンタルでは、お届けだけでなく返却にも輸送が伴います。距離、荷物の大きさ、やり取りの回数、梱包材の扱いなどが、確認したい点になります。購入する場合にも、お店や家庭までの輸送があるため、返送の有無だけで優劣を決めることはできません。
スウェーデンの研究機関RISEによる、おもちゃを貸し出す施設の環境評価でも、新しい購入をどれだけ減らせるかに加え、利用者の移動の仕方が重要な条件として検討されています。[3] 日本の宅配サービスと同じ条件ではありませんが、おもちゃそのもの以外の移動も見るという視点は参考になります。
清掃・点検・補修と、使い終わった後
次の人が使う前の清掃や、必要な補修にも、水、洗剤、資材、エネルギーなどが使われます。それでも、安全に使える期間を延ばせるなら、製品全体を買い替えることを減らせる可能性があります。どちらの影響が大きいかは、実際の方法や回数を含めて確認する必要があります。
「何度使えるか」と「使い続けるために何が必要か」をセットで見ると、レンタルの仕組みを具体的に捉えられます。使えなくなった物の処分も、家庭から見えなくなったから不要になるわけではありません。
木製かプラスチック製かだけで決めなくてよい
木の温かみが好き、軽くて扱いやすい物がよいなど、素材にはそれぞれ選ぶ理由があります。ただ、環境への影響を考えるときは、素材名だけで優劣を決めにくい面があります。
日本の木製・プラスチック製のおもちゃの車を対象にした研究では、環境への影響の種類によって結果が異なり、木製がすべての項目で小さかったわけではありません。[4] この研究は特定の車のおもちゃを扱ったもので、すべての玩具やレンタルの優劣を示すものではありません。
家庭で選ぶ際は、丈夫さ、手入れの方法、部品や修理への対応、子どもが使う見込みまで見てみましょう。素材のイメージだけで買い替えず、今ある物を安全に使い続けられるかも考えることが、身近な出発点になります。
家庭では、買い足す前と返す前にできることから
環境への影響を家庭で細かく計算するのは簡単ではありません。まずは、次の三つを確認するところから始めてみてください。
買い足す前に、同じ遊びができる物を見直す
新しい物が気になったら、家にある物や借りている物で、今の子どもがしたい遊びを楽しめるかを見ます。すでに十分遊べるなら、急いで同じような物を増やす必要はありません。
一方、今ある物が発達や関心に合わなくなったときは、必要な物を新たに迎えることも自然です。長く使うことだけを優先して、合わない遊びを続けさせなくて大丈夫です。必要な遊びを満たしながら、重複する買い足しを減らすという考え方なら、家庭でも取り入れやすくなります。
手入れは、商品やサービスの案内に合わせる
水洗いできるか、どの洗剤を使えるかは商品によって異なります。説明書や事業者の案内に沿って手入れをすることを基本にしましょう。節水のために必要な清掃を省いたり、長く使うために自己流で接着したりすることは勧められません。
壊れた物や部品が外れた物は、まず子どもの手が届かない場所に分けます。購入品はメーカーへ、借りている物は貸出元へ確認してください。環境への配慮のために、安全の確認を後回しにする必要はありません。
返却する物と箱を、一緒に管理する
借りた部品をまとめておくと、返すときに不足を確認しやすくなります。返却用に再使用するよう案内されている箱は、使える状態で保管しておきましょう。
私たちのプレイキットでは、お届け時のダンボールを保管し、返却時に利用するようご案内しています。また、返送には同梱の返送伝票をお使いいただきます。[5] 返却前は、部品と梱包の案内を確認してください。破損などがある場合も、ご自身で補修せず、所定の方法でお知らせください。[5]
選ぶときは、環境の言葉より具体的な仕組みを確かめる
「エコ」「サステナブル」といった言葉があっても、それだけでは、どのような取り組みをしているかまでは分かりません。サービスを選ぶ際は、次のような説明があるかを見てみましょう。
- 使い続けるための管理:清掃や点検、破損した物への対応が説明されているか
- 梱包と返却:箱の再使用や、返却方法が分かるか
- 環境効果の根拠:数値を示している場合、何と比べ、配送や清掃まで含めたのか分かるか
同じ期間に必要な遊びを用意するとして、購入なら何を買い、レンタルなら何を借りるのか。その条件をそろえずに、環境への影響を比べることはできません。私たちのサービスについても、レンタルという理由だけで購入より環境にやさしいと断定したり、根拠のない削減率をお伝えしたりはしません。
家庭でできる選択は、一つに決める必要はありません。大切に長く使いたい物は購入し、今の発達に合わせて使いたい教材は借りるなど、組み合わせてもよいでしょう。子どもに必要な物を選び、安全に活用し、使い終えた後の扱いまで考える。その積み重ねを、環境に配慮したおもちゃ選びの出発点にしてみてください。
参考情報
- 環境省「使用済製品等のリユースの促進について」
- 環境省「プラスチック使用製品設計指針と認定制度」
- RISE「Miljöutvärdering av Leksaksbiblioteket」
- Yamane・Kayo「Environmental Impact Assessment of Toys Toward Sustainable Toy Production and Consumption in Japan」
- IMANO MANABI「よくあるご質問」
情報確認日:2026年10月15日