絵本のページを握るのが好きなお子さまに、布絵本と厚紙絵本のどちらを用意すればよいのでしょうか。破れにくさだけで決めようとすると、絵の内容や、めくりやすさまで比べにくくなります。
布をつかんだり動かしたりしたいなら、触れる部分の作りを。ページをめくりたいなら、厚さと大きさ、開きやすさを。大人と絵を見たいなら、絵の見やすさと読む言葉を確かめて選びましょう。
ここでは、0〜2歳のお子さまのいるご家庭に向けて、布と厚紙それぞれの確認点をご紹介します。布から厚紙へ進む順番や、年齢ごとの読了冊数を決めるための記事ではありません。
布か厚紙かを決める前に 今していることを見る
布絵本は、布のページや仕掛けに触れて遊べる絵本です。厚紙絵本は、ページに厚い紙を使った絵本で、「ボードブック」と呼ばれる物があります。どちらも、絵を見ることと、手で扱うことを一緒に楽しめます。
ただし、布ならすべて握りやすい、厚紙なら必ず自分でめくれる、と決まるわけではありません。ページの大きさ、重さ、付いている仕掛けによって、扱い方は違います。
板橋区立図書館は、赤ちゃんの絵本を選ぶポイントとして、丈夫さ、安全性、めくりやすさ、重さに加え、絵や言葉の分かりやすさなどを挙げています。[1] 素材は、その中の一つの確認点として考えましょう。
つかみたいのか、めくりたいのか、一緒に絵を見たいのかで候補を絞ります。 同じお子さまでも、手を動かして遊びたい時間と、大人に読んでもらいたい時間では、選ぶ一冊が変わってかまいません。
布絵本は 触る部分と仕掛けの扱いやすさで選ぶ
布を握ったり、小さなめくり部分に手を掛けたりすることが好きなら、その動きができる布絵本を候補にしてみましょう。音の鳴るページ、めくると絵が出るページなど、仕掛けの種類も確認します。
最初は、いくつも同時に動かすより、一つのページを開いて置きます。大人が仕掛けを一度動かし、お子さまが手を伸ばしたら待ってみてください。つかむ場所を見つけにくそうなら、ページを支えて、手が届きやすい向きに変えます。
布製でも 対象年齢は製品ごとに確認する
知育玩具メーカーのエド・インターは、布絵本の「いないいないばあ」を6か月から、「WONDERLAND(ワンダーランド)」を1歳6か月からと案内しています。後者には、リボン結びやジッパー、ボタンなどの仕掛けがあります。[2] 「布絵本」という名称だけで、出生直後から使えると判断しないようにしましょう。
また、触る前には、縫い目のほつれ、取れそうな飾り、付属品の状態を確かめます。小さな部品が外れたり、口に入りそうな状態になったりしたら、使用をやめてください。[4]
布絵本は、仕掛けの多さより、今のお子さまが触れられる一つの部分から選びましょう。 全部のボタンを留める、すべての仕掛けを使うといった完成を目標にしなくて大丈夫です。
厚紙絵本は ページの端と開きやすさを確かめる
自分でページを送ろうとするなら、厚紙絵本を手に取ってみる方法があります。大人が一枚を少し起こすと指を掛けられるのか、本全体が動いてしまうのかを見てみましょう。
膝の上や低い机など、安定して本を支えられる場所で開きます。お子さまがページを持ったら、大人は本の下側を支える程度にし、手ごと引っ張ってめくらせないようにします。一度に数枚めくっても、そのたびに戻す必要はありません。
厚紙でも 仕掛けの強さは別に見る
厚いページに、細い窓や折り返しが付いている絵本もあります。表紙の丈夫さだけでなく、お子さまが触る部分を一つずつ確かめましょう。
児童書出版社の偕成社の商品ページでは、作者のきむらゆういちさんが、「ボードブックシャンプーだいすき」について、元の絵本を厚紙で小さくするだけでなく、指の挟み込みなどへ配慮して仕掛けも変更したと説明しています。[3] 同じ作品の通常版と厚紙版でも、構造まで同じとは限りません。
厚紙を選ぶときは、ページの厚さと一緒に、端へ手を掛けられるかを見ます。 小型でも厚くて持ちにくい場合や、大きく開くと支えが必要な場合があります。自分で持つのか、大人と一緒に見るのかに合わせて選んでください。
絵を見る時間には 素材と一緒に内容も選ぶ
触りやすい絵本を選べても、絵や言葉を見る時間をどう過ごすかは別に考えられます。食べ物、動物、毎日の着替えなど、お子さまが目を向ける題材から一冊を探してみましょう。
板橋区立図書館は、絵がはっきり描かれた物、言葉の繰り返しがある物、日常の体験が描かれた物などを選ぶ手がかりとして示しています。[1] 文字が多いほどよい、物の名前がたくさん載っているほどよい、と決める必要はありません。
例えば、布の仕掛けを開くと動物が出る絵本なら、大人が動物の絵を指して短く読みます。厚紙の乗り物絵本で同じページへ何度も戻るなら、そのページを一緒に見ていてかまいません。先へ進めることを優先しないようにしましょう。
何ページ読んだかより、今見ている絵に合わせて一緒に過ごせる一冊を選びます。 触ることが中心の日があっても、本の楽しみ方を間違えたとは考えなくて大丈夫です。
布の洗濯と厚紙の手入れは 同じ方法にしない
汚れやすい時期には、「洗えるか」が大切な選択条件になります。ただ、布絵本ならすべて洗濯機で洗えるわけではありません。エド・インターも、布のおもちゃは素材や内側の部品などによって手入れが異なり、商品ページやパッケージを確認するよう案内しています。[2]
購入前には、洗濯機が使えるのか、手洗いなのか、拭き取りなのかを見ます。取り外す部品がある場合は、その扱いも確認してください。洗える物も、指定された方法で乾かしてから戻します。
厚紙絵本は、厚いから水に強いとは判断せず、出版社や商品の取り扱い案内を確認します。濡れたり、かんだりしてページの層がはがれてきた物は、そのまま渡し続けないようにしましょう。布の破れや仕掛けの緩みも同じく、使うのをやめる判断材料です。
歯がため機能のない絵本を、かむための道具として選ばないようにしましょう。 口へ運ぶ、強くかむなどの様子が続く場合は、大人が持って見せる時間へ変えるか、その日は片付けます。
手入れの方法と、傷みを見つけやすい作りかを、買う前に確認しましょう。 汚れを落とすために、指定のない消毒液や洗い方を試す必要はありません。
最初の一冊は 家で使う場面を一つ決めて選ぶ
迷っているなら、両方を一度にそろえず、今ほしい場面を一つ決めてみましょう。
- 布をつかんで動かしたい:対象年齢に合う、触る所が分かりやすい布絵本。
- ページを自分で送りたい:端に手を掛けやすく、支えながら開ける厚紙絵本。
- 大人と絵を眺めたい:素材を限定せず、題材と絵の見やすさが合う絵本。
持ち歩く予定なら、かばんに収まる寸法に加え、外出先で音の仕掛けを使いやすいかも確認できます。厚紙だから持ち歩き向き、布だから寝る前向き、と固定せず、ご家庭で使う場所を思い浮かべましょう。
今日は、どこで誰が持って読むかを決めて、一冊を手に取ってみてください。 触り方や見ている絵が変わったら、次の一冊を考えます。布絵本を卒業してから厚紙絵本へ進む、という順番にしなくてもかまいません。
参考情報
- 板橋区立図書館「よんで!よんで!」
- 株式会社エド・インター「布のおもちゃのお手入れ方法|洗濯機で洗える?長く清潔に使うためのポイント」
- 偕成社「ボードブックシャンプーだいすき」
- 消費者庁「Vol.544 おもちゃなど小さなものを誤飲する事故に注意!」
情報確認日:2026年10月17日





