昨日も読んだ絵本を、今日も持ってくる。読み終わったと思ったら、また表紙に戻される。「同じ本ばかりでいいのかな」「ほかの本も読んでほしいな」と感じることはありませんか。
好きな本を繰り返し選ぶことは、急いで変えなくて大丈夫です。毎回新しい質問や遊びを足す必要もありません。その日に子どもが見ているページや反応に合わせて読み、親が疲れたときは短く区切る。無理なく続けるための方法を紹介します。
同じ本を選んだら 好きな場面を一緒に開く
米国の小児科医の専門団体である米国小児科学会は、乳児が同じ本や一部の場面を何度も楽しむこと、2歳の子どもが同じ絵本を繰り返し共有して楽しむことを紹介しています。同じ本を選ぶこと自体を、選書の失敗と考える必要はありません。[1][2]
同じ表紙を見せると声を出す。あるページで大人の顔を見る。まだ言葉で「もう一回」と言わなくても、見たり、手を伸ばしたりする動きが手がかりになります。「このページが好きなのかな」と、一緒に止まってみましょう。
何を覚えたか確かめるより、今日はどのページに目を向けたかを見ると、同じ本にも付き合いやすくなります。昨日と同じ場面を選ぶ日も、違う絵を指さす日も、そのまま受け止めてかまいません。
最後まで読まなくても 好きなページで楽しめる
子どもが先にめくったら そのページの絵を見る
文章の途中で次のページへ進みたがるときは、無理に戻さず、そのページの絵を見ます。米国小児科学会も、子どもが別のページへ進みたいときは、その関心に合わせ、物語を全部読む必要はないと案内しています。[1]
たとえば動物のページを飛ばして乗り物のページを開いたら、「車だね」とひと言。すぐ表紙に戻ったら表紙を見る。その日の読み方が、最初から最後までの順番にならなくても大丈夫です。
同じページを開き続けてもよい
アイルランドの公的医療サービスHSEは、乳幼児が好きなページにとどまったり、速くめくったりすることを説明し、子どものペースを大切にするよう勧めています。[3] ページを進めることより、今見ているものを一緒に楽しむことを選べます。
本を閉じる、顔をそらす、体を離すときは、ひと休みしましょう。最後まで読んだ回数を増やすために追いかけて読み続ける必要はありません。大人の声を聞いていた短い時間も、親子で本を開いた時間です。
言葉が出る前も 視線や動きに声や表情で応える
子どもが絵を見ている間、大人も同じ絵を見て、「いたね」と短く言ってみます。ページをたたく、声を出す、こちらを見る。そんな動きがあったら、同じ音をまねたり、笑顔を返したりして待ちます。
返事を引き出そうとして、同じ質問を繰り返さなくても大丈夫です。親が話し終えた後に少し待つと、子どもがもう一度手を伸ばすことも、別の絵へ目を向けることもあります。その動きから、続きを選びましょう。
たとえば雨の絵を指でたたいたら、大人が「ぽつぽつ」と言う。子どもが声を出したら、その声にもう一度応える。こうしたやりとりは、言葉で答えることを条件にしません。声や指さし、視線にも返事をするつもりで楽しんでみてください。
反応が少ない日も、その場で「聞いていない」と決めなくてかまいません。一方で、眠そう、嫌がっていると感じたら終えてよいでしょう。反応を増やすために声を大きくしたり、本を顔の前へ近づけ続けたりする必要はありません。
言葉を覚えてきても 答え合わせにしない
いつもの言葉を一緒に言いたそうなら、よく知っている短い繰り返しの前で、少しだけ待ってみます。HSEも、文の終わりで待ち、子どもが続きを言わなければ大人が読み終える方法を紹介しています。[3]
たとえばいつも「とことこ」と読む場面なら、最初の「とこ」で待ってみる。子どもが何も言わなければ、いつもどおり続けます。これは参加のきっかけの一例で、毎回穴埋めの問題にする必要はありません。
子どもが言葉を足したら、その内容を受け取ります。「ねこ」と言ったら「ねこ、寝ているね」と返す。「もう一回」と言ったら、好きな言葉をもう一度読む。正しく言えたかより、言いたいことに応える読み方を選びましょう。
HSEは、質問を重ねすぎず、子どもの関心に沿って言葉を添えることも勧めています。[3] 「これは何?」「何色?」ばかりになったら、今見えることを大人が一つ話して、子どもの番を待つ形へ変えてみてください。
親が疲れた日は 読める範囲を先に伝える
好きな本を大切にすることと、何度でも読み続けることは別に考えてかまいません。「今日はあと一回」「このページを見たらおしまい」と、大人が無理なくできる範囲を短く伝えます。どの回数が正解かを決める必要はありません。
「もう一回」と求められても、その日は終えることがあります。「また見たかったね」と受け止め、決めたところで本を閉じましょう。余裕がある日は好きな場面だけ読む方法もありますが、毎回応じる約束にはしなくて大丈夫です。
同じ読み方に飽きた大人が、声や速さを変えてみることもできます。ただ、子どもがいつもどおりを望むなら戻しましょう。変化を足すことも、同じまま読むことも、その場の選択です。親も続けられる長さにすることを大切にしてください。
家族と交代するときは、「このページをよく開くよ」と伝えるだけでも十分です。声の出し方や読み方を同じにそろえる必要はありません。新しい本を出す場合も、好きな一冊を取り上げず、そばに置いて反応を待てます。
子どもが見たものや反応を 一つ覚えておく
「表紙を見たら笑った」「今日は大人の顔を見た」「最後のページだけ開いた」。同じ本で目に入ったことを、一つ覚えておくくらいでかまいません。毎日記録したり、できることが増えたか採点したりする必要はありません。
何度も使う本は、ときどき破れや外れかけた部分を確認します。口へ入れたり強く引いたりする間は、大人がそばで扱い、傷んだ本や取れそうな部品のある本は片づけます。好きな一冊でも、今の使い方に合う状態を保ちましょう。
ページの傷みや扱いにくさから別の形の本を考えるときは、布絵本と厚紙絵本の選び方も参考にしてください。
IMANO MANABI(イマノマナビ)では、本を何冊読んだかより、目の前の子どもと無理なくやりとりできる読み方を提案しています。次に「もう一回」と誘われたら、できる範囲で、その子が開きたいページを一緒に見てみてください。新しいことを教え足さずに楽しむ日があっても大丈夫です。
参考情報
- 米国小児科学会「How to Share Books With Your Baby」
- 米国小児科学会「How to Share Books with Children 2 and 3 Years Old」
- Health Service Executive(HSE)「Sharing books with babies and young children」
情報確認日:2026年10月19日





