食事をするテーブルで、お絵かきもする。リビングの一角には、仕事用のパソコンもある。子どもの遊び場をつくりたくても、専用の場所を空けておくのが難しい家庭もあります。
そんなときは、遊ぶ場所と、使い終わった物の行き先を一緒に決めるところから始めてみましょう。食事や仕事の前にどこへ移し、次にどう取り出すかまで考えると、今ある空間で試せる方法が見つかります。
この記事では、乳幼児のいる家庭を想定し、食事や仕事と兼用するリビングの使い方を紹介します。部屋の広さに合わせて無理に家具を増やす前に、一日の中で使う場所が重なる場面を確かめてみてください。
まず食事や仕事と重なる場所を一つ見つける
部屋全体を一度に変えるより、困る場面を一つ選ぶと、決めることが少なくなります。例えば「夕食を並べる前に、お絵かきの道具を移す場所がない」という場面です。
その場面について、次の三つを確かめます。
- いつ空けるか。 食事を並べる前、パソコンを広げる前など、次にその場所を使う場面を決めます。
- 何を移すか。 遊び道具だけでなく、途中の作品、敷いている物、机の下に落ちた部品も含めます。
- どこへ移すか。 棚の空いた一段や、大人が管理する収納など、実際に置ける場所を先に空けます。
遊んだあとで行き先を探すと、ソファや椅子の上へ仮置きしたままになりがちです。まずは一組について、食事や仕事の場所を空けられるか試してみましょう。
朝と夕方で使い方が違ってもかまいません。「いつでも同じ広さを子ども専用にする」と決めず、必要なときに安全に使える場所をつくる考え方です。
遊び場より先に家族の通り道を残す
床に遊び場をつくるなら、家族が行き来するところを先に確認します。部屋の出入口、キッチンから食卓への道、収納の扉を開ける場所などです。
家具を使うときの動きも見てください。椅子を引くと遊び場へ入り込む、引き出しを開けると座っている子どもに当たる、という場所では、物を置けても落ち着いて使い続けるのは難しくなります。
大人が座った状態と、立って動く状態の両方で確かめるのがポイントです。道具をまたいだり、子どもをよけながら熱い料理を運んだりする配置になっていたら、遊ぶ場所や時間を変えます。
棚やテレビは、製品の説明書に沿って転倒防止を行います。低い家具でも、転倒の心配がないとは限りません。玩具を取ろうと登るきっかけになるため、子どもの興味をひく物を家具の上に置くのも避けましょう。[1]
窓の近くでは、ブラインドやカーテンのひもにも注意が必要です。ひもを手の届かないようにまとめることに加え、近くの椅子や棚が踏み台にならないか確かめてください。[2]
ここでは、すべての家庭に共通する通路幅や遊び場の面積は示していません。実際の家具、子どもの動き、道具の使用条件に合わせて確認します。安全な範囲を確保できなければ、その場所に遊び場をつくらない判断も必要です。
食卓で遊ぶときは一組ずつ出して戻せるようにする
食卓を使うなら、食器や仕事道具を片付けてから、使う物を出します。熱い飲み物を同じテーブルに置いたままにしないなど、食事との重なりを避けてください。こども家庭庁の事故防止ハンドブックも、熱い飲食物を子どもの手の届くところに置かないよう注意を促しています。[3]
例えば、紙と、その子どもが安全に使える年齢表示の描画用具でお絵かきをする場合。使い始める前に、紙の置き先と道具の戻し先を決めておきます。以下は配置を考えるための例で、特定の家庭や商品の実例ではありません。
- 遊ぶ前。 テーブルを空け、必要な紙と道具を出します。使う椅子は製品の対象・使い方を守り、安定して座れる状態か確かめます。
- 食事の準備前。 道具を確認して保管場所へ戻し、描いた紙は平らに置ける場所へ移します。運ぶのが難しい物は大人が担当します。
- 食事を始める前。 テーブルの上と足元に道具が残っていないか見て、使用した物に合う方法で汚れを落とします。
軽い容器に一組をまとめておくと、道具を移す方法の一つになります。ただし、重さや持ち手、縁の状態を確かめ、お子さまに一度で全部を運ばせる必要はありません。
椅子の上に立ったり、机を蹴ったりする使い方は止めます。ハイチェアを使用する場合は、説明書に従って安全ベルト等を適切に使ってください。[3] 座る状態が安定しないときに、クッションを重ねるなどの自己流の調整で卓上遊びを続けないようにします。
途中の作品を残す場所は出す前に決めておく
遊びが途中でも、食卓を使う時間になることがあります。そこで役立つのが、途中の物を安全に置ける場所です。
平らな作品なら、棚の空いた一段へ置けるかを考えます。部品がある物なら、なくならないよう一組にまとめて保管します。棚の手前にはみ出す、積み上げた物が落ちそうになる、下の子どもが小さな部品に触れる、といった状態では残せません。
子どもが取り出してよい物と、大人が管理する物は分けます。対象年齢に達していないきょうだいのおもちゃや小さな部品は、その子どもが触れられる場所に置かないでください。[3]
移すと崩れる物や、安全に残せる場所がない物は、そのまま保管することを前提にしない方法もあります。始める前に「食事の前には、この場所を空けるよ」と短く伝え、片付ける際には必要なところを大人が手伝います。
途中の物を残すことより、安全に置けることを優先する。毎回すべてを保存しなくても、次にまた取り出せるよう道具をそろえて戻すことはできます。
仕事と遊びは場所だけでなく見守れる時間も分ける
パソコンのすぐ横に遊び場をつくれば、仕事中も安心して任せられるとは限りません。画面や会議に集中しているときに、必要な付き添いや手助けができるかを別に考えます。
特に、大人と一緒に使う指定がある物は、仕事をしながら出したままにしないでください。今は必要な見守りができないなら、その活動は大人が関われる時間へ移します。
仕事道具の置き場も、遊び道具とは分けます。はさみ、クリップ、電池などを子どもが触れられるところへ残さず、充電器やコードも手に取れないよう整理します。充電器によるやけどや、小さな物・電池の誤飲には注意が必要です。[3]
例えば、同じテーブルを使う日は、大人が仕事道具を片付けてから子どもの道具を出し、遊びのあとはその逆に戻す方法があります。両方を端へ寄せ合うだけで、子どもの手が仕事道具へ届く状態なら、時間を分けて使うほうが合います。
部屋の中に別々の机を置ける場合も、必要な見守りができるかは同じように確かめてください。遊び場の配置だけで、仕事と見守りの両立を解決しようとしないことが大切です。
新しい収納や教材を増やす前に片付けまで試す
場所が決まったら、手持ちの道具で「出す、使う、移す、戻す」を一度試してみましょう。見るのは、きれいに片付いたかより、次の生活場面で困らないかです。
- 食事のために、遊び道具を毎回いくつもの場所へ移していないか
- 大人が仕事を再開するとき、子どもの道具と仕事道具が混ざっていないか
- 途中の物の置き場がふさがり、新しい仮置き場所が増えていないか
- 使わない道具も含め、通り道を空けた状態で保管できるか
うまく収まらなければ、使う場所を変える、その時間は別の遊びにする、保管場所を先に空ける、といった調整をします。出す数や入れ替えの判断で迷う場合は、おもちゃの数と置き方と入れ替えを見直す記事も参考にできます。
私たちIMANO MANABI(イマノマナビ)では、プレイキットの定額レンタルをご用意しています。教材・知育玩具を組み合わせたプレイキットに、教材ごとの声かけ例や子どもとの関わり方をまとめたガイドを同封しています。[4]
ただし、借りる場合にも家での保管場所は必要です。FAQでも、届いたダンボールを保管し、返却時に使うよう案内しています。[5] 遊んでいる教材だけでなく、使っていない教材と返送用の箱を置けるかも、利用前に確かめてください。
プレイキットの内容を見て、家庭で扱える物か、準備や保管に無理がないかを確認しましょう。狭い家ならレンタルで必ず物が減る、ということではありません。今ある道具で困らず遊べるなら、そのまま続ける選択もあります。
今日変えるのは行き先が決まっていない一組から
狭いリビングの遊び場は、大きな棚や専用コーナーから始めなくてもつくれます。まずは、食事や仕事の前に行き先に迷う一組を選び、移す場所を空けてみてください。
遊んでいるときに安全に使えるか。食事や仕事の時間には、必要な場所を空けられるか。その両方を確かめながら、家族の暮らしに合う形へ少しずつ調整していきましょう。
参考情報
情報確認日:2026年10月13日
- 消費者庁 家具やテレビの転倒に気を付けましょう! -下敷きになった子どもが死亡する事故も-
- 消費者庁 Vol.589 ブラインドやカーテンのひも等による窒息事故に注意しましょう!
- こども家庭庁 こどもを事故から守る!事故防止ハンドブック(令和8年3月版)
- IMANO MANABI モンテッソーリ教育の教材・知育玩具サブスク定額レンタル
- IMANO MANABI FAQ