積み木を机に出すと、すぐ床へ持っていく。床で遊んでいると、箱が動いてうまく入れられない。「どこで遊ばせるのがいいのだろう」と迷うことはありませんか。
床と机のどちらかに統一する必要はありません。遊びに必要な広さと、お子さまが無理なく手を使えるかを見て選びます。同じおもちゃでも、並べる日は床、手元で出し入れする日は机という使い分けでかまいません。
床か机かを決める前に 今している動きを見る
まず、子どもの手だけでなく体の動きも見てみましょう。物を取りに動く、周囲に広げる、両手で一つの物を扱う。必要な場所は、それぞれ少しずつ違います。年齢だけで「そろそろ机」と切り替えなくても大丈夫です。
世界保健機関(WHO)は、国際的な保健を担う国連の専門機関です。乳児には大人との床での遊びを含む体の活動を、1〜2歳には一日の中でさまざまに体を動かすことを勧めています。机の遊びを取り入れても、自由に動ける時間は残しましょう。[1]
たとえば箱に物を入れる遊びでも、箱を持って移動したいのか、その場で何度も入れたいのかで置き方は変わります。見たいのは「長く座れたか」より、やりたい動きを無理なくできるかです。
おもちゃを広げたり動き回ったりする遊びは床で試す
積み木を並べるときは 手を伸ばす先を空ける
対象年齢に合う積み木を、床にいくつか並べてみます。子どもが横へつなげたい様子なら、その先の物を大人がよけます。途中で立ったり座ったりしても、並べる遊びが続いているなら、その動きを急いで止める必要はありません。
厚く柔らかい敷物の上で積み木が傾くなら、平らで安定した場所へ移します。床だから必ず扱いやすいわけではなく、道具がぐらつかず、子どもが動ける面かを確かめることが大切です。
座る姿勢が安定しない時期は無理に座らせない
まだ座る姿勢が安定しない時期に、机を使うためだけに座らせ続ける必要はありません。起きている間に、大人がそばで見守り、その子が無理なくとれる姿勢で遊びます。姿勢を支える方法を個別に教わっている場合は、その助言を優先してください。
机では体と道具が安定しているかを確かめる
机では、目の前に置いた箱を片手で押さえ、もう一方の手で物を出す、といった遊びができます。ただし、机に置けば手先を使いやすくなるとは限りません。体を支えるために片手がふさがっていないかも見てみましょう。
英国の公的医療制度NHSの子ども向け作業療法サービスでは、座り方を整える際に、足の支えや活動までの届きやすさを確認しています。作業療法は、遊びや日常動作への参加を支える専門的な支援です。[2]
- 椅子に座る場合は、足が床や製品に合う安定した足置きに支えられているかを見る
- 手元が高すぎて肩が上がる、遠くて大きく身を乗り出す場合は、机と道具の位置を見直す
- 机や椅子が動く、体がずり落ちる場合は中断し、安全に使える組み合わせに戻す
高さを合わせるために、座面へ不安定な箱やクッションを積み重ねるのは避けます。体に合う組み合わせがなければ、今日は床でできる遊びを選んでかまいません。机に合わせて我慢させず、無理なく手が届く場所を選びましょう。
うまく扱えないときは 置き方を一つ変える
箱が滑るなら まず箱の位置を変える
子どもが箱の中に物を戻そうとして、箱ごと押してしまう場面を考えます。すぐに「こう入れるよ」と手を動かしてあげる前に、箱が遠すぎないか、置いた面が滑りやすくないかを見てみます。
床で遊ぶ途中に道具を机へ移す場合は、子どもの手が止まったときに「こっちでやってみる?」と誘います。今できている操作を途中で取り上げてまで移さず、興味が続いている場所はそのまま使いましょう。
箱を少し近づける。それでも動くなら、大人が箱だけを軽く支える。必要に応じて、安全に置ける別の面へ移す。このように、変えるのは一度に一つにすると、何が使いにくかったのかを見つけやすくなります。
場所を変えた後は、子どもが自分から手を伸ばすかを待ちます。遊ばなければ、元の場所に戻したり、その日は終えたりして大丈夫です。場所を比べるために、興味がなくなった遊びを何度もさせる必要はありません。
安全は 床でも机でも確かめる
消費者の安全を守る行政機関である消費者庁は、ハイチェアからの転落事故を紹介しています。座面の高い椅子を使う場合は、説明書に従ってベルトなどを適切に使い、子どもを座らせたまま離れないようにします。[3]
椅子の上に立とうとする、机によじ登ろうとする場合は、遊びを中断して安全な場所へ移します。「もう少しだけ」と座らせ続けるより、動ける場所へ切り替えましょう。机は、子どもを乗せて遊ばせる場所にはしません。
床では、落ちている小物、敷物のめくれ、動く先の障害物を確認します。消費者庁は、小さなおもちゃや外れる部品の誤飲に注意し、対象年齢を確認するよう呼びかけています。兄姉の小さな玩具を机へ上げても、下の子の手が届くなら保管場所として十分ではありません。[4]
場所を変えるときは、子どもだけでなく道具と周囲も一緒に確認します。使い終わった部品が床に残っていないかまで見て、次の遊びへ移りましょう。
専用の机を増やす前に 今日の遊びで試す
子どもが机から離れたときは、必ず床へ戻せば解決するわけでもありません。おもちゃを追いかけているのか、遊び自体を終えたいのかを見ます。眠さや空腹などがありそうなら、場所の調整より休憩や普段の生活を優先しましょう。
新しい家具を用意するか迷ったら、まずは今ある安全な場所で、よく使うおもちゃ一つを出してみてください。床では広げられるか。机では体を無理に伸ばさずに触れられるか。使う場面を具体的にすると、必要な家具の条件も考えやすくなります。
親も、隣で無理なく見守れる場所を選びましょう。床に座るのがつらければ、大人の姿勢を変えたり、短い時間で交代したりする方法があります。親子のどちらかが姿勢を我慢してまで、一つの場所に固定しなくて大丈夫です。
食事や仕事と同じ場所を使う場合の片づけ先は、リビングの遊び場づくりの記事で紹介しています。
IMANO MANABI(イマノマナビ)からの提案は、今日ひとつだけ、遊ぶ場所か道具の距離を見直すことです。「ここでは自分で手が伸びた」と気づければ、次に出すときの手がかりになります。場所選びは、その日の遊びと体の様子に合わせて調整していきましょう。
参考情報
- 世界保健機関(WHO)「To grow up healthy, children need to sit less and play more」
- Bedfordshire and Luton Children’s Occupational Therapy Service(NHS)「Sitting position and posture」
- 消費者庁「Vol.521 ハイチェア(子ども用の座面の高い椅子)からの転落事故に注意!」
- 消費者庁「Vol.544 おもちゃなど小さなものを誤飲する事故に注意!」
情報確認日:2026年10月19日





